子育てのお悩みに対して、「こうやったらいいですよ」などと方法をお伝えすると、「そんなふうに自分はできない」と落ち込むママがいます。「落ち込む」という気持ちも大事な気持ちです。落ち込んでしまうぐらいに、「もっとうまくやりたい」向上心が強いのかもしれません。

ママは何がしたかったのかな? それは何のために? このハガキでは理想のベストをお伝えしています。でも、いつでもそこには「状況」があるのです。うまくできないにはできない状況があるのです。その状況を考慮せずに、理想のベストをやろうとしたらつぶれてしまいます。

方法はいつも同じ方法がいいとは限りませんし、イヤイヤ対応の正解も一つではありません。外出先などでは、放電も充電も後回しで、とにかく抱っこしてその場を立ち去るのがベストかもしれませんし、静かにしなくてはいけない状況なら、子どもがほしがったらお菓子をあげてもいいじゃないですか。

<理想のベスト×状況→現実のベスト>と考えてもらったらいいです。今、自分にできることをやれば、それで十分です。いいお母さんとは、パーフェクトマザーでなく、「グッド・イナッフ・マザー」、つまり、完璧を目指すのでなくほどほどに、ということです。

日本抱っこ法協会 公認ホルダー 阿部優美